外出自粛

 新型コロナウイルス感染拡大で、飲食業などは営業自粛、企業はテレワークを要請され、多くの国民が自宅で過ごすことを余儀なくされる事態となりました。一方病院に勤務する多くの臨床工学技士は、院内の感染対策や医療材料の不足で慌しい日々を過ごしたと思います。私の施設も重症患者を受け入れる施設であったので、一時院内全体が大きな緊張を強いられる日々が続きました。

 でも悪いことばかりではありませんでした。いつか手をつけなくてはと思っていた、荷物であふれていたクローゼットや趣味の道具で足の踏み場もなかった納戸もすっかり綺麗になったのです。庭にも手を入れることができ、狭かった金魚の水槽も陸亀の小屋も大きくすることができ、我が家のペットは快適な生活ができるようになりました。
 再び感染拡大による規制は望みませんが、今までと違う日常は価値のある経験だと思いました。

 

もも@

私のおススメ書籍「ビジネスパーソンが介護離職をしてはいけないこれだけの理由」

「介護の問題は、そのうち考えなくちゃいけないだろうな~。」
こんなことを思っている方も多いのではないでしょうか?今回は、ぜひ読んでいただきたい書籍の紹介をさせていただきます。それが、酒井譲さんの「ビジネスパーソンが介護離職をしてはいけないこれだけの理由」です。本書の著者である酒井穣さんは、企業の取締役を務めながら20年以上母の介護の経験を基に「介護離職をせず、介護者も被介護者も幸せになろう!!」このようなテーマで、講演活動をされています。酒井氏は、「介護離職」のリスクを示し、仕事と介護を両立させる考え方や具体的な方法を示しています。私も、この書籍に心を打たれ当院で「介護離職防止セミナー」を開催していただきました。

書籍の中で印象的だった言葉は、
「介護とは「自立支援」です。そして自立とは、誰にも頼ることなく生きられる状態のことではありません。真の自立とは、その人が依存する先が複数に分散されており、ただ1つの依存先に隷属(奴隷化)している状態から自由であることです。ですから介護とは、ただ1人に依存させることではありません。
介護離職して親を1人の子だけに依存(隷属)させるのではなく、依存先を分散させることが真の自立支援なのです。」  酒井譲

これはセミナー中でも何度も強く語られました。
書籍では、酒井氏がセミナーでは時間の関係で語れなかったことが、詰まっています。

第1章 介護離職につながる3つの誤解
 誤解①介護離職をしてもなんとかなる
 誤解②介護離職をすれば負担が減る
 誤解③子供が親の介護をすることがベスト
第2章 介護離職を避けるための具体的な方法
 方法①介護職(介護のプロ)に人脈を作る
 方法②家族会に参加する
 方法③職場の支援制度と仕事環境の改善に参加する
第3章 介護を自分の人生の一部として肯定するために
 指針①介護とは何かを問い続ける
 指針②親と自分についての理解を深める
 指針③人生に選択肢がある状態を維持する

介護の問題は、誰もが経験する可能性を秘めています。介護する立場になる場合もありますし、被介護者になる場合もあります。まったく他人ごとではないことですね。家族やそれに関わる人が皆でハッピーになるために、しっかり事前に勉強し知識をつけていくことが重要な事なのかもしれません。

山田紀昭

「定時で帰ります」が守る子供の心と体~親子の幸福論~

日時 11/26(火)18:30-20:00
場所 毎日新聞東京本社 毎日メディアカフェ※(東京メトロ 東西線 竹橋駅)

※毎日メディアカフェは、様々な企業や自治体、NPO/NGOや大学の環境活動を取り上げ、マルチメディア展開で紹介する情報発信基地です。時には、企業と企業、企業と自治体といった、様々なコラボレーションも実現。持続可能な環境実現を目指す、という共通の目標を掲げる企業や団体が、業界や業種、立場を越えて出会い、語り合う場にもなっています。


 なぜこのイベントへ参加したか?というと、WLB(ワークライフバランス)に対する臨床工学技士会と社会間の認識乖離の有無を確認することと、純粋に子育てをする親としてテーマに惹かれたためです。WLBのための働き方改革は、自身の健康確保として捉えるだけでなく、家族と過ごす時間や自身を豊かにする時間を確保する、それによる副次的な影響を考慮した『Well-being』を目標とした働き方が求められているのではないでしょうか。
 テーマである「定時退社」について職場環境や周囲の人間からの理解を深めるにはどうすればいいのか。毎日新聞ニュースサイトの「医療プレミア」で連載している北里大医学部の可知悠子講師と、子育て当事者の声を集め国などに対して提言している「みらい子育て全国ネットワーク」の天野妙代表からの講演や、参加者間のディスカッションから、医療界と異なる視点と意見に触れる貴重な場となりました。
 親の長時間労働と子どもの健康へおよぼす影響については、欧米で盛んに研究がされています。昨今叫ばれる「WLB施策の充実」や「働き方改革」の中で長時間労働削減に主眼を置くのは、長時間労働が子どもの健康や発達にネガティブな影響を及ぼすことが示唆されているためです。これを回避させるための一つの試案として「親の定時退社」がありますが、 周囲への理解が進まずにマタハラ・パタハラ・ケアハラといった言葉が生まれるまでに問題化されているのが現状です。
 少し前に、TBSのドラマで「わたし、定時で帰ります。」が吉高由里子主演にて放送されていました。当初は、権利を主張して断固帰る社員のお話しかな?と思っていましたが、そこには働く「人」や働き「方」の多様性が描かれておりました。ダイバーシティ&インクルージョンが重要なポイントで、その前段的な知識や価値観と向き合うことが今後推進していくための第一歩となるのではと感じました。

東京都立神経病院
亜厂 耕介


[働き方に関するindex]
・日本の男女平等指数(GGGI)121位(2018年は110位、世界経済フォーラムジェンダーギャップ指数)
・男性の育児休業取得率は6.16%(厚生労働省 平成30年度 雇用均等基本調査)
・出産後の退職50%(国立社会保障・人口問題研究所「出生動向基本調査」)
・正社員へ戻れる母親は2割程度(東京都 2017年子供の生活実態調査)

ワークを考える

WLB検討委員会に参加するまでは、WLBについて具体的に考えたことは余りありませんでした。昨年、日臨工学会で委員会企画の “「仕事に活きる」をマネジメントする~仕事に活かすライフデザイン・キャリアデザインからWLBを考えよう~”と題したパネルディスカッションがあったり、委員会の活動としてリーフレットの作成企画もあったりで、WLBについて調べたり、考える機会が増えました。

 そんな中で気になるワードが、「ワーク」についてのワードです。ただ単に「ワーク」ではなく、人生における「ワーク」の捉え方として以下のように見ることができるというものです。

 

・「ライワーク」

自分の欲求を満たすだけの生き方。生活の維持のためだけの働き方。

・「ライワーク」

好きなことを追求する生き方。やりがいを感じる楽しい生き方。

・「ライワーク」

人生の意味や目的を求める生き方。周りに喜ばれる生きがい溢れる働き方。

・「ライワーク」

天命を全うする生き方。天職として社会に貢献する働き方。

 

 自分自身を振り返ってみると、臨床工学技士として働き始めてから数年間は生活をするための、ご飯を食べるための「ライスワーク」だったかなと思います。

 今どうなのか考えてみると、「ライスワーク」でありつつ「ライフワーク」にもなりつつあるのかなと思います。

 「ワーク」はもちろん一つである必要はなく、重なっていることもあると思います。あくまでも「ライスワーク」であって、プライベートは完全に別というのもあります。今どんな「ワーク」をしているのかを考えることで、これからどんな「ワーク」を目指したいのか、どんな働き方をしたいのか見えてくるかもしれません。プライベートの時間の過ごし方も同時に考えたり見えたりするかもしれません。

 これまで、仕事について、プライベートについて、そのバランスのことや自分の人生(ワークとライフ)をデザインするということは考えずにきました。委員会に参加したことをきっかけに、みなさんにも発信していけるように取り組んで行こうと、改めて思ったところです。

 

さて、5月に盛岡で開催される日臨工学会では、WLB検討委員会企画の講演「アサーションから学ぶ!!より良い職場環境の作り方 ~働き方変革とともに我々のコミュニケーションも進化させる~」があります。是非ご参加ください。

文責:滝口委員

当院の取り組みと今後の日臨工WLB検討委員会の活動について

私が当院に就職して初?のWLBに関する院内研修,『定時にカエル!ワークライフバランス』座談会が開催されました。

昨年度からWLBについて調べたり(ネットが主ですが),考える機会も多かったため,掲示されていた案内を見て,ぜひ参加してみようと思ったものの,勤務で参加できず,後日司会の医師,開催事務の看護部の方から伺った話になります。

内容は,司会の挨拶として,WLBの総論,パネリストとして,科内で業務改善を行ったスタッフ,仕事と子育てとの両立に関して女性スタッフと男性スタッフ,管理者の立場から,4名が体験談などを話され,ディスカッションなどがあったそうです。

司会の先生は,子育て中のスタッフは,自分だけが早く帰るのは帰りづらく,残業するスタッフには,不公平感も出でしまうだろうから,勤務終了時間に関しては,全員早く帰れるように,引継ぎで対応する仕組みや,現状以上に業務整理・改善を行うべき。また,教育に関しても,時短勤務のスタッフでも院内研修に参加できるような体制をつくる。なるべくみんなが平等になるように,みんなができるところからWLBの活動を進めたいということでした。

自分には関係ないと思っている人がいるとできない,全員で取り組まなければいけない,といわれたのはやはり印象に残りました。

実際に,子育てしながら,医師として,科の長として働き続けている方の言葉で,とても力強いと感じました。この司会もされたWLB担当の先生が大変お忙しい方なので,この院内WLBの活動がどのように進んでいくのかわかりませんが,施設としてのWLBは福利厚生の一環などではなく,経営戦略の一つであるそうで,当院ではTQM活動で各部署の業務改善なども行っているため,病院全体,職員全員がHAPPYになれるのか,今後が楽しみです。もちろん,他人事ではなく,自分も関わっていくつもりです。

このような職場全体としての取り組みを進めていくのは,施設の上層部で,技士も限られた方だけになるかと思いますが,その内容を知ることは必要で,個人としてもワークの考え方,ライフの考え方を知り,バランスについて考えることは人生のなかで大切なことだと,この委員会に入ってから強く思います。

 

日臨工WLB検討委員会では,今年度の横浜に続き,来年の岩手でも,企画を申請しています。

学会には,今の自分の業務のスキルアップのために参加される方が多いとは思いますが,委員会の一員として,より多くの方に,ワークライフバランスについて,知って,考えて,実践するよい機会になってもらいたいと思っています。

そのほかにも,委員会HPの更新や,リーフレット作成なども検討しています。皆さんが,WLBについて興味を持ち,考えていただけると嬉しいです。

担当:卜部

 

働き方改革とキャリアデザイン、院内研修で実践してみました!!

昨今、テレビやいろんなメディアで取り上げられる機会の増えた「働き方改革」、どこか他人事のように聞こえていませんか?報道で取り上げられるのは「長時間労働の抑制」と「多様な働き方」、「高齢者や女性の活躍推進」などのキーワードが多く、なんとなく分かっているつもりになっているものの、職場において「具体的にどう動く?」といったところの議論がなされていないのではないでしょうか?

今回、私の勤務する病院で年2回実施している「臨床工学技士合同勉強会」(関連病院を含めて所属する臨床工学技士約40名対象)に「働き方改革とキャリアデザインについて考える~人生の主人公はあなた~」というテーマを取り上げ実施しました。このテーマを採用するきっかけは、今年行われた第28回日本臨床工学会で私たちの委員会で企画したワークショップ“「仕事に活きる」をマネジメントする~仕事に活かすライフデザイン・キャリアデザインからWLBを考えよう~”の内容に、私自身が深く感銘を受けたからでした。私はもっぱら聞き手でしたが、演者の皆様から発せられるメッセージは深く心に響くと同時に、どうにかこの「キャリアデザイン」という考え方を自分の施設にも植え付けたいと思うようになり、今回の勉強会に取り入れたわけです。とは言うものの、私自身はキャリアデザインの専門家でもなければ、人に何かを教えるほどこのテーマについて理解している訳でもなく、どのように進めようか苦慮していたのですが、この間にうちの男性スタッフが「育児休暇」を願い出てくれたのでした。職場内で調整し、当初の本人希望より多めの1ヶ月の育児休暇をとってもらうことになったのですが、そこで改めて「多様な働き方」を考えることになり、「働き方改革」を改めて勉強してみました。

私はこれまで「働き方改革」の根源は、「長時間労働」、「非正規職員との給与格差」という問題が中心だと思っていたのですが、実は一番の問題は「生産人口の減少」がもたらす「国力の低下」が最大の問題であることを知りました。そして、その対策として「労働力の確保」と同時に「労働生産性の向上」が大きなポイントになると思いました。WLBも実はこの「労働生産性の向上」に不可欠であり、ワークとライフを充実させるサイクルを作ることがとても重要です。

そこで、今回の勉強会では働き方改革の概要についての説明を行ったあと、実際に育児休暇を取得してもらった職員からWLBについて話してもらい、中堅職員からはワークに生かすノンテクニカルスキルについて紹介してもらいました。そして、全員でエドガー・シャインが提唱した「キャリアアンカー」テストを実施し、自身の拠り所を知った後、スタッフを年代別に分けてグループディスカッションを行いました。ディスカッションのテーマは「あなたが考えるWLBとキャリアデザイン」とし、同年代の多様な価値観に触れることで、自分の視野を広げるきっかけにしてもらうことを目的としました。最後に、各グループからどんな議論になったのか発表してもらい、勉強会は終了しました。印象的だったのは、若いうちはどうしても仕事は仕事、プライベートはプライベートと分けて考えがちなところが、人生を進めるにつれてワークもライフのひとつという捉え方に変わり、ライフを充実させるにはワークの充実が不可欠、との考え方に変わるという事でした。年配グループはライフを「生活」ではなく「人生」と捉えていることがとても面白かったです。

今回の勉強会を通じて、「人生」の主人公は自分自身であり、自身のキャリアを自身でデザインすることの大切さに少しでも気付いて実践してくれることを期待しています。(担当:佐々木)

ライフ・生活について

ワークライフバランスを考えるとき、ともすると、個人主義的観点から自分自身が「どう働くか、また、どう余暇をすごすのか」、時間的・経済的なメリット・デメリットを秤にかけてはいないでしょうか?それは、個人の自由が尊ばれる現代において、決して間違ったことではないと思います。しかし、「人は一人で生きているのではない」という事実に基づいて、計画を立て前に進まなければ、望んでいる「ライフ」とはかけ離れた結果が待ち受ける気がしてなりません。

 人が自身の幸福を求めるとき、周囲がともに幸福になってはじめて真の幸福が得られるという考えに賛成です。そのためには、単身者であるなら親兄弟や友人達など周りの人たちを、結婚すればパートナーとその家族を、子どもを授かったらその子の成長と可能性を、自分の人生に組み込んでトータルに考えることが大切だと思います。

それは、言葉を替えるなら、私たち一人一人を取り巻く環境を、ひとつの生き物のように捉えることができ、それがすなわち私自身なのだと思えたとき、「ライフ」はいい方向へ動き出すのではないでしょうか。(文責:松本)

日本臨床工学技士会 パネルディスカッション 「仕事に活きる」をマネジメントする~仕事に活かすライフデザイン・キャリアデザインからWLBを考えよう~開催報告

平成30年5月26日、27日に第28回日本臨床工学会が神奈川にて盛大に開催されました。臨床工学とマネジメントというテーマで開催された学会のなかで、私たちワークライフバランス委員会は、どのようなテーマでワークライフバランスの重要性を会員に伝えられるか?議論を進めてきました。そこで企画されたのが “「仕事に活きる」をマネジメントする~仕事に活かすライフデザイン・キャリアデザインからWLBを考えよう~”というパネルディスカッションでした。

パネルディスカッションは、まず始めに吉村委員からワークライフバランスとは何か?ワークライフバランスの本質的な意味を説明するところから始まりました。その後、これまでのワークライフ委員会の活動と現在行っている活動、ホームページの紹介、そして今後の活動の展望をお話しして頂きました。

次に、私(山田委員)から、ワークライフバランスはワークもライフも重要であるため、今回はライフのためにワークをしっかり考える“キャリアデザイン”のお話をさせていただきました。まず始めに「人生の大きな流れの中で節目くらいはしっかりキャリアを考えなければならない」という神戸大学 金井壽宏氏のキャリア論の考えから、節目とドリフトというキーワードを示しました。そして節目を見逃さないために「キャリアアンカー」という自分の価値観をしっかり考えておくことが重要であるということ、さらに自分らしさ(自分の価値観)を追及しすぎると結果的に自分らしく生きることができないため、キャリアサバイバルという視点でも考えることが重要であると示し、私のセッションは終了しました。

さて、いよいよ今回のワークライフバランス委員会が企画したメインイベントです。ここからは、2名の先輩技士の経験や実践を語っていただくセッションになります。

まず始めに、群馬県立心臓血管センター技術部臨床工学課 安野誠先生です。先生からは「仕事も趣味も安全第一 愉しむための安全管理」というテーマで、趣味である登山から学んだ様々な安全技術は医療の分野でも通じるものがあり、広い視野を持って趣味からでも学ぶべきことがあるということ、つまり仕事以外のコミュニティーを持つことは非常に重要であるということを示して頂けました。山に行きたくなるような素敵なセッションでした。

次のセッションは社会医療法人天神会の岩本ひとみ先生です。先生からは、“女性として管理職としての「ワーク・ライフバランス」と「働き方改革」を考える”というテーマで、管理職として自身の職場で実践してきたマネジメントや母として家庭を守りながら臨床を行い、さらに書籍や論文の執筆も行ってきたこと、ついには学会の大会長まで務められた、こんな話を聞いているだけでパワースポットにいるような気分になりました。後半は現在の実務である天神会本部においての「働き方改革」の取り組みをお話しいただき、管理職に求められるワークライフバランスの考え方や働き方の考え方をお話しいただきました。自施設を振り返り、反省する点がもやもやと現れた瞬間でした。

今回企画したワークライフバランス委員会主催のパネルディスカッションは、委員全員が何かしらの手ごたえを感じたのではないかと思います。今後の委員会の進むべき方向性がぼんやり見えてきたのではないでしょうか。

今回ご尽力いただいた安野先生、岩本先生に感謝いたします。

文責:山田委員

第24回近畿臨床工学会  ワークショップ “みんなに聞きたい!ワーク・ライフ・バランス” Report

昨年11月18日・19日に第24回近畿臨床工学会が和歌山県にて開催され、近畿男女共同参画委員会主催で“みんなに聞きたい!ワーク・ライフ・バランス”というワークショップを行いました。前半は、WLBの概要説明、兵庫県臨床工学技士会の取り組み、育MEN技士さんの事例報告をそれぞれご発表頂き、後半はリアルタイムアンケートシステムを用いて会場の皆さんからのご回答を基に発表者・コメンテーターを交えてディスカッションを行いました。 

最初に回答者の属性を知るためにいくつか入力して頂き、そのあと質問を投げかけ、コメンテーターを交えてディスカッションを行うという流れで進みました。

 実際、回答をされた方は約60名で、その内訳は、管理職35%、中堅技士15%、スタッフ40%、学生さんが10%でした。また男女比は、2:1、既婚者が約60%を占めていました。

このアンケートでは、臨床工学技士の仕事について、キャリア形成について、WLBについて、という3つのテーマを設定しました。

『今の仕事に関してどのように感じていますか?』という質問に対しては、約80%の人が、やりがいがある・こんなもんでしょう、と回答していましたが、残り20%(20歳・30歳台)の方からは、“忙しいだけ”“思っていた通りじゃなかった”という回答がありました。フリーコメントでは、業務量が多い、雑用が多い、等のネガティブな意見とレールが敷かれていないのでやりがいがある、楽しい!といったポジティブな意見とが混在していたことが印象的でした。

また『お給料は良いが残業・呼び出し・待機有 vs お給料はそこそこだが定時帰宅・週休2日』と言う究極(?)の2択では、やや後者を選ぶ回答が多くありました。特に30歳・40歳台の方が後者を選んでいたので、子育て世代の方が家族との時間を持ちたいという意思の表れなのかな?もしくは自分磨きの時間を持ちたいという思い?など想像してしまいました。家事・育児・介護の分担についての考え方も、夫婦で分担する形が理想形だという意見が多くあり、共働き世代が多い現代社会を反映しているのだな…と感じました。

このワークショップでは、他にも貴重な生の声をたくさんいただくことができ、今後の課題も見出せたように感じました。これからも近畿から全国へ発信できたらいいなと夢はどんどんふくらんでいきます。そして、ワーク・ライフ・バランス検討委員会の活動へも皆様よりご支援いただけるとうれしいです。 

職場と命の話

第27回日本臨床工学会のワークショップ「みんなで知ろうワークライフバランス」と第23回山形県臨床工学会のパネルディスカッション「男女共同参画を考えよう」で、命をテーマにした職場環境の話をさせていただく機会がありましたので、報告します。

ワークライフバランスは仕事と私生活のバランスということでしょうが、我々の職場で切実なのは新たな命、すなわち出産や育児に関する悩みや問題が大きいのではないでしょうか。それは当事者だけでなく、上司や同僚の立場でも直面するでしょう。そこで前述の講演では、ライフを「命」として、私見と私の職場での試みを紹介してきました。

命ですが、人の命を論ずる前に、生物としての命を考えてみました。生命は今から40億年前の原始の地球の海の中で生まれたとされています。その後、巨大隕石の衝突や氷河期や干ばつなど想像を絶する過酷な環境変化に耐え、命のバトンを確実に繋いで一度として子孫を絶やすことのなかった生物のみ、今この地球上に存在しています。植物も昆虫も魚も鳥も哺乳類すなわち私も皆さん自身もです。そして我々は育児によって社会人にまで成長できたのです。

よって、出産や育児は一個人のプライベートの問題ではなく、人類・社会を後世に繋げる大きな意味があるのです。そして、我々医療者はその命を守ることを使命として仕事をしているはずです。

さて、職場は家庭と同じくらい重要です。生き甲斐を得、糧を得、知識や技術・人間関係を広める場であるからです。また臨床工学技士のスキルと信頼関係は、長い年月をかけて築かれてゆきます。だとすれば、技士が出産や育児で職場から離れるのは、職場にとって痛手になるだけでなく、本人にとっても辛いはずです。にもかかわらず、わがままで長期休暇を取るように思われたら、産休・育休を取る方は居たたまれないはずです。一方、当然の権利の行使というスタンスであれば、残されるスタッフは快くは思わず、不平不満につながります。そういった疑心暗鬼が職場にはびこり、働き難い環境に陥ってしまう、あるいは優秀な技士が現場から去ってしまうのは、誰もが避けたいはずです。

管理職の役目は、本人とスタッフに前述したように出産や育児が大きな社会的貢献であると理解させること。そして、本人には権利の主張ではなくスタッフへの感謝を、スタッフには出産と育児という偉業に暖かく協力することを促すことで、職場に前向きな協力関係が生まれるのではないかとお話させていただきました。

講演では壇上から私見を述べさせていただきましたが、実際には難しい課題もあるでしょう。私の職場でも課題はあります。これからも皆さんと一緒に課題を克服してゆきたいと思っております。また、この委員会がその一助になれるよう活動してゆきます。

担当:百瀬