「定時で帰ります」が守る子供の心と体~親子の幸福論~

日時 11/26(火)18:30-20:00
場所 毎日新聞東京本社 毎日メディアカフェ※(東京メトロ 東西線 竹橋駅)

※毎日メディアカフェは、様々な企業や自治体、NPO/NGOや大学の環境活動を取り上げ、マルチメディア展開で紹介する情報発信基地です。時には、企業と企業、企業と自治体といった、様々なコラボレーションも実現。持続可能な環境実現を目指す、という共通の目標を掲げる企業や団体が、業界や業種、立場を越えて出会い、語り合う場にもなっています。


 なぜこのイベントへ参加したか?というと、WLB(ワークライフバランス)に対する臨床工学技士会と社会間の認識乖離の有無を確認することと、純粋に子育てをする親としてテーマに惹かれたためです。WLBのための働き方改革は、自身の健康確保として捉えるだけでなく、家族と過ごす時間や自身を豊かにする時間を確保する、それによる副次的な影響を考慮した『Well-being』を目標とした働き方が求められているのではないでしょうか。
 テーマである「定時退社」について職場環境や周囲の人間からの理解を深めるにはどうすればいいのか。毎日新聞ニュースサイトの「医療プレミア」で連載している北里大医学部の可知悠子講師と、子育て当事者の声を集め国などに対して提言している「みらい子育て全国ネットワーク」の天野妙代表からの講演や、参加者間のディスカッションから、医療界と異なる視点と意見に触れる貴重な場となりました。
 親の長時間労働と子どもの健康へおよぼす影響については、欧米で盛んに研究がされています。昨今叫ばれる「WLB施策の充実」や「働き方改革」の中で長時間労働削減に主眼を置くのは、長時間労働が子どもの健康や発達にネガティブな影響を及ぼすことが示唆されているためです。これを回避させるための一つの試案として「親の定時退社」がありますが、 周囲への理解が進まずにマタハラ・パタハラ・ケアハラといった言葉が生まれるまでに問題化されているのが現状です。
 少し前に、TBSのドラマで「わたし、定時で帰ります。」が吉高由里子主演にて放送されていました。当初は、権利を主張して断固帰る社員のお話しかな?と思っていましたが、そこには働く「人」や働き「方」の多様性が描かれておりました。ダイバーシティ&インクルージョンが重要なポイントで、その前段的な知識や価値観と向き合うことが今後推進していくための第一歩となるのではと感じました。

東京都立神経病院
亜厂 耕介


[働き方に関するindex]
・日本の男女平等指数(GGGI)121位(2018年は110位、世界経済フォーラムジェンダーギャップ指数)
・男性の育児休業取得率は6.16%(厚生労働省 平成30年度 雇用均等基本調査)
・出産後の退職50%(国立社会保障・人口問題研究所「出生動向基本調査」)
・正社員へ戻れる母親は2割程度(東京都 2017年子供の生活実態調査)