褒めてやらねば人は動かじ

春になり職場に新入の技士がきてくれました。教育の季節です。臨床工学技士は業務範囲が広いので、職場で仕事のスキルを身に着けるOn-the-Job Training (OJT)が主体となりますよね。

 以前、家族旅行で広島に出かけた時に、大和ミュージアムで買ってきた色紙を手術室の技士の待機室に飾ったら、若い技士に「やまもとごじゅうろくって誰ですか?!」と聞かれました….(―_―)!! まあ若い人は知らないのが当たり前ですよね。

色紙の言葉は、1884年生まれの旧大日本帝国海軍連合艦隊司令長官で真珠湾攻撃の指揮を執ったとされる山本五十六(やまもといそろく)元帥の格言なんです。

百瀬1

明治生まれの大日本帝国海軍の元帥となれば、恐ろしいほど厳しい教育をするのではないかと思っていたのですが、「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、褒めてやらねば人は動かじ」との格言を残したのは意外でした。調べると山本五十六は当時から世界情勢に詳しく、誰よりも戦争に反対した軍人だとされていて、優れた教育者でもあったようです。

 

この色紙を技士室に掲げているのは、私たちが臨床での教育の基本としているからなんです。先ず先輩が模範演技をやってみせて、何故そのような操作が必要なのかを説いて聞かせて、さあやってみてとさせてみる。上手くできない部分を叱るのではなく、上手くできた部分を誉めて次に繋げる。やがて自然に手が動くようになり、優秀な技士として働くようになる。職場の人間関係にもきっと良いですよね。

 

明治の時代からOJTの基本は、若い人に仕事を理解させると同時に、指導者も若手の気持ちを理解することが必要なんですね。

 

今年も良く育つように誉めまくろうと思います。

もも@