AAMI 2017および米国病院見学ツアー報告

国際交流委員会 吉岡 淳

井桁 洋貴

米国駐在員 バネラ長澤

 平成29年6月9日(金)~12日(月)にて開催されましたAssociation for the Advancement of Medical Instrumentation(AAMI)2017 Conference & Expoおよび米国病院見学ツアー(参加者総勢12名)を無事に終了いたしましたのでご報告いたします。

AAMI 2017 Conference & Expoへの参加

 AAMIとは、毎年アメリカで開催されている先進医療機器学会です。メーカー技術者からディーラー、政府関係者、医師、看護師、Clinical Engineer(CE)、Biomedical Equipment Technician(BMET)、IT技師、モニター技師、その他のヘルスケア技術専門家と幅広い職種が集まり、世界各国より2500人を超える参加者が集まります。今年は創立50周年記念を祝した、スペシャルイベントが沢山ありました。学会プログラムには、医療機器の購入から管理、廃棄までのライフサイクルマネージメント、医療機器を取り扱う上で日々直面している課題に対する実践的な解決策、電子カルテと医療機器との連携、サイバーセキュリティーに関するトピックなどが多く見られました。また、日本と同様にアメリカにおいても医療費の高騰から、機器導入やメンテナンスに係る費用の分析やコスト削減に関するセッションも企画されていました。大きな展示会場では各社250以上のブースが並び、メーカーや修理専門業者から最新技術の医療機器を見て回れます。参加証にはドリンクチケットが綴られており、ビールやワイン、カクテルを片手に展示会場を探索できるのは海外学会ならではの楽しみです。

AAMI 2017 Education Session -医工連携教育セミナーでの発表-

 AAMI 2017 Conference & Expoでは、日本医療機器学会(JSMI)提供の教育セミナー(Sunday, June 11, 8:00 a.m. – 10:00 a.m.)が開催され、日米両国のCEが発表を行いました。「Development Environment for Medical Device in Japan and the United States: Impact on Current Activities and the Roles of Clinical Engineering」と「Introduction of Devices Currently on the market and that have been Previously Developed by Clinical Engineers in Japan and the United States」の医工連携に関する2つのテーマのもと、JMSIの安原理事長、高階先生の座長進行で、日本臨床工学技士会(JACE)から吉岡(筆者:山形大学医学部附属病院)、井桁委員(飯塚病院)、島崎拓則氏(大阪市立大学)、America College of Clinical Engineering(ACCE)からTom氏(Kaiser Permanente, ACCE, WHO)、Mario氏(BS, MBA, CBET, President, HealthiTek, Inc)、Yadin氏(Founding President of ACCE; former Chair, IFMBE CED)の6名の演者が発表を行いました。会場からは多くの質問をいただき、非常に活発な意見交換が行われたと同時に、日米ともに医療機器開発について興味が持たれていることを確認できました。

Dell Seton Medical Center at The University of Texasへの訪問

 ACCEのTom氏にエスコートされ、テキサス州オースティンにあるDell Seton Medical Center(DSMC)を訪問しました。DSMCは、オースティン随一の最新設備を整えた2017年5月に開院したばかりのクラス1の外傷センターで、急性期に特化した病床数211床の施設でした。経営戦略としては、災害や緊急時には一病室を2床とすることで400床近くにまで拡大できる考えのもと、各病室が大きく構築されていました。DSMC建設のプロジェクトマネージャーであるDavid Shackelford氏の案内で、最初に建物のエントランスを中心に全体的な構造について説明をいただき、救急部門、急性期病棟、臨床工学部門、最後にDSMCの特徴的な施設である礼拝堂(チャペル)を見学しました。アメリカではチャペルを備える病院がいくつもあり、牧師が必要な時に来て祈ってくれます。臨床工学部門では、1名のCE(管理職)と4名のBMET(技術者)が常駐していました。DSMCは多くの医療機関を有し、同地区には11系列の病院があるそうで、それらを4名のCEと30名のBMETで管理しているとのことでした。

 最後に、来年のAAMI2018はカルフォルニア州ロングビーチです。JACE企画のAAMIおよび米国病院見学ツアーでは、フレンドリーで頼りになるバネラ長澤氏(臨床工学技士の資格を取得後、17年前に渡米し、現在はカテーテル技士R.C.I.S. (Registered Cardiovascular Invasive Specialist)として働いています)を米国駐在員としてお招きしたことでアメリカの魅力と貴重な異文化を経験できるようになりました。アメリカに行こうかまだ躊躇している人は是非、参加してみてください。

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