「中国医学装備協会血液浄化装備技術委員会2019年会参加報告書」

2019-08-01

会期  : 2019年7月20日~21日

会場  : 蘇州国際博覧センター

参加者 : 川崎忠行 臨床工学国際推進財団 理事長

芝本隆  臨床工学国際推進財団 理事

園川龍毅 日本臨床工学技士会 国際交流委員 (報告者)

~はじめに~

中国医学装備協会血液浄化装備技術委員会への参加は今回で4回目となり、本年は「臨床透析技士の教育訓練」をテーマとして初日に講演と2日目に機器トラブルに関する模擬訓練形式をメインに開催された。

~報告内容~

講演では芝本隆氏により本邦で多く使用されているCDDSの紹介とCCDS(個人用透析装置の集中配管システム)使用の経験について、特に問題点と対策についての講演があった。この講演については、近年中国で研究開発が進むCCDSに関しての講演依頼に対応した形となったがその背景には中国に現存する15万台の個人用透析装置の活用を前提とした研究開発が要因であると推察され、筆者が携わった2012年からの国際交流事業でこのCCDSに関する講演を本邦の講師が講演したことは、記憶になく大きな反響を得る形となった。実際に、当初予定していた講演時間は質疑含め20分であったのに対し非常に活発な質疑応答が行われ座長とワークショップの主事である北京大学人民医院の左力教授の計らいで結果的に約50分間延長された程である。また、質疑応答の最後には左教授より川崎忠行氏をはじめとする日本側の参加者に対する謝辞が述べられ従前の交流に関する感謝と今後の一層の交流への協力の依頼を頂いた。そのほか、中国の講師による講演では、CCDSに関する医学装備協会の団体基準の策定に関する内容や血液浄化臨床工程技師の業務規範に関する内容の講演等、多岐に亘るものであった。

~模擬訓練について~

2日目に行われた模擬訓練では、午前中に透析装置(フレゼニウス社製)の機器トラブルを模擬した実機によるメンテナンス訓練が実施され、各地方に分かれ計5チームによってトラブル解決に至るまでの時間と手順に関する正確性が競われた。メンテナンス訓練には総勢40名程度が参加し、フレゼニウス社のメンテナンス員による採点が行われ、会場は熱気に包まれていた。そして、午後には別室に移動して川崎忠行氏と他4名の採点者によって各地域の若手の技士が中心となって作成した研究テーマ(例えば、透析室の支援システム導入について等)に関する講演が行われ採点が行われた。その後、機器のメンテナンスと透析中に起こりうる臨床トラブルに関して設問が準備され(約90問程度)クイズ形式で出題されていた。そして、最後に午前、午後の獲得ポイントが公表され優勝したチームには、日本の透析施設への見学の権利が与えられることとなった。

~最後に~

2日目のセッションが終了した後、左教授の計らいで日中技術交流に関するミーティングが行われ、川崎忠行氏と左力教授、各地方を代表する血液浄化関連の医師・技士が一堂に会し約50名での意見交換が行われた。その場では各地方の抱える技士育成の問題点や打開策についての議論がなされ、日中技術交流の重要性を感じるミーティングとなった。

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