中国医師協会臨床工程師分会継続教育シンポジュウム 及び第1回医用内視鏡臨床工程師能力レベル試験参加報告書
会場 : 中国広西省南寧市、広西南寧荣荣大酒店
日程 : 2019年12月20~21日
参加者 : 萱島道徳(奈良県立医科大学病院)
川崎忠行(臨床工学国際推進財団)
渡航スケジュール
2019年12月19日 上海乗り換えにて南寧入り
20日 「手術室医療設備(装置)の操作と管理」を萱島氏が講演
21日 「日本臨床工学法の立法について」川崎が講演
「医療用内視鏡臨床工程師試験能力レベル試験」川崎が試験立会
22日 帰路
参加報告
南寧市は中国の最もベトナムのハノイに近い都市であり、温かいと考えていたが天候が小雨混じりの曇であったが16~17℃で思っていた程に温かくはなかった。
会場は宿泊した広西南寧荣荣大酒店の会議場で行われました。
12月20日8:00より17:50まで医用内視鏡臨床工程能力研修が行われ、13:00から15:00まで萱島氏が手術関連業務について講演を行いました。
一般的に中国は医師と看護師が手術を担当すると上海中山病院看護師長の講演もあり、BMEは直接的に手術に関与はしていない状況と思われました。
萱島氏は日本臨床工学技士会の立場で、手術の開始前、術中、術後など一連の業務を解説しました。
中国の若手BME達は、初めて自分の知識不足と、中国の体制、病院規制など多くの課題を知ることができ、大変興味を引かれていました。
また、日本のCEが、現場で医学と工学知識を活用すると言う考え方を聞いて、今後の臨床工程師の方向性が明確となったとのことです。
12月21日は臨床工程師継続教育シンポジュウムが開催され、9:30から10:15臨床工学技士法の立法について、立法化の歴史、臨床工学技士法の内容を川崎が講演しました。
この講演を聞いていた中国医師協会の幹部の方々は、以前10月の済南市の講演以来、議論してきたと中国医師協会夏慧琳秘書長からの発言もありました。
日本の臨床工学技士法について、予想以上に社会関係の維持、業務内容の想定、特に法的な考え方を聞き、同会の高関心会長から、今後の法制活動に参考となったとの発言がありました。
また、日本のCEの社会的貢献や責任について、幹部をはじめとして参加者が共感して頂くことができました。そして今後、一緒に中国のCEを発展させて、中国の国民のために頑張りましょうと、会場の雰囲気が非常に盛り上がりました。
21日の14:00より15:30まで医用内視鏡臨床工程師実力レベル試験が行われ、川崎が試験立会人として試験監督を行いました。
臨床工程師分会は10月25日に中国医師協会(中国医師会)の下部組織として発足し、分会長の高関心氏は内モンゴル自治区人民病院(3000床、工程師80名)の教授級高級臨床工程師で副院長、また中華医学会医学工程学分会の前主任、内モンゴル医学会副会長と活躍してされている方であり、臨床工程師の国家資格化を進める一方で、その資格の上位の専門認定制度を構築したいとのことでした。
10月では第1回として臨床工程師継続教育シンポジウム及び血液浄化工程師能力レベル試験も行われています。
分会長の高氏の話では、中国の病院は国立であり中央政府が近いうちに医療職の見直しを行う予定とのことでその流れで資格化を検討することであり、中国医師協会との連携で資格法制化を進めるとのことでした。しかし病院運営において各省の予算で工程師の待遇が決まるとのことで、 裕福な沿岸地域の省と内陸の産業の少ない省での格差が問題とのことでした。