3月5日 perfusionist見学

 

病院の集合時間は6時で手術は7時から始まりました。手術室は思っていたよりも狭くて酸素や空気の配管が頭上にあった為移動する時に機器や物に当たらないように注意しながら移動しました。壁に3つの心電図や各部分の圧を表示するモニターがありました。酸素の配管の色が緑で空気が黄色で日本と同じでした。注入する薬剤を低温にする為手術室はとても寒かったです。この日は2つの手術を行い1つ目が大動脈弁置換術で2つ目が冠動脈のバイパス術でした。人工心肺装置のチューブのほとんどが人工心肺装置の左側に固まっていてどのチューブがどこに繋がっているか一目見ただけでは分かりづらかったです、また遠心ポンプや人工肺も左側にありました。中央にはベント用のローラーポンプや吸引用のローラーポンプがありました。遠心ポンプの大きさは思っていたより小さく人工肺も小さかったので驚きました。逆にヒーターが思っていたより大きくて人工心肺の半分ぐらいの大きさで驚きました。

脱血カニューレは手術室の棚の中にあり他にもたくさんのカニューレが入ってました、脱血カニューレの大きさは思っていたよりも太く、大きく驚きました。

人工心肺装置のプライミング時に患者さんの体重と身長を入力したら使用する薬剤の量が自動で計算され便利だなと思いました。プライミング全体は約30分で終わり思ったより早く終わりました。手術が始まってから人工心肺を使用するまで待っている間に麻酔科医に術野を覗かせてもらって初めて拍動している心臓と人工大動脈弁を見ました。心臓自体の大きさは教科書で見たり、授業で習った大きさよりか大きく見え周りの脂肪なども見ることができて良かったです、大動脈弁も思ったより大きくて驚きました。メスで皮膚を切開したら電気メスを使い脂肪などを切開しました。電気メスの使用中は焦げたような匂いがし心電図にたくさんノイズが入っていました。術中の人工心肺装置の位置としては医者の真後ろで思っていたより手術台に近かったです。

心筋保護液は濃いカリウム濃度のものと薄いカリウム濃度のものを用意していて腎臓が悪い人であったらカリウムを体外に排出する事が難しくなる為濃いカリウム濃度のものを使うと人工心肺の離脱が難しくなるから心筋保護液を投与する際腎臓の機能にも注目をして濃度の使い分けをしなければならないと思いました。腎臓がちゃんと機能しているかの目印は尿を使っていて利尿作用がある薬剤を使いながら麻酔科医と尿がちゃんと出ているか確認していました。体温はカニューレを尿道から膀胱に入れ膀胱温を確認していました。他にも人工心肺装置のモニター上には動脈血温度、静脈血温度、心筋保護液温度の温度が表示されていて心筋保護液は4℃で患者さんに投与し意外と冷たいんだなと思いました。体温が高すぎると酸素供給量が増えてしまう為低温にしながら手術を行い患者さんの温度管理も非常に大切なんだなと思いました。けれど術中あまり体温変化は無かったです。大動脈弁の手術だった為心筋保護液は大動脈基部に注入するのではなく逆行性に冠静脈洞から注入しモニター上の肺動脈圧が冠静脈洞圧へと表示がすぐ変わり規定の圧になるまで心筋保護液のローラーポンプの流量を上げて規定の圧になったら流量を止めました。流量だけではなく冠静脈洞の圧を観察しないといけない為壁や人工心肺装置に付いているモニターを注意深く見る事が大切だと思いました。

肺動脈や冠静脈洞の圧だけではなく平均値血圧やHRなどがモニターに表示されていて心筋保護液を投与してすぐ心停止して思ったより早かったので驚きました。20分に1回のペースで医師とコミュニケーションを取りながら心筋保護液を投与しました。心筋保護液の他にも使っている薬剤が多く数分間隔で薬剤を投与していたので的確なタイミングで的確な投与量を投与する集中力が大事だと感じました。

プライミング時から人工心肺脱離時までサクションとベントポンプの上にあったモニターを触る時間がとても多くナンバーを入力したらチューブなど使っている製品のコードが自動で入力されたり投与した薬剤の記録など紙類を術中は一切使わず驚きました。

術中は頻繁に活性化全凝固時間を測っていて、計る機器は思っていたよりも小さかったです。血液ガスを分析する機器は血液の入ったシリンジを機器にさしほんの数秒でphや重炭酸イオンの濃度などが見れてとても性能の高い機器なんだなと思いました。また吸引した血液はセルセーバーに送り輸血用の血を他の人では無く自分の血を使い作っていてこの場合血液型などを気にしなくていいのと吸引した血液の中にたくさん組織の破片があったが濾過し血液の状態だけにすることができとても便利な機器だなと思いました。だが天井の電源から電源プラグ装置がはずれたらすぐ機器は停止してしまったのと起動までに時間がかかったので周囲を移動する時には十分な注意を払いました。たくさん輸血バッグを作っていたわけでは無く術中に1つ、術後の貯血槽内に残っていた血液で1つ作っていました。貯血槽とセルセーバーの使い分けはヘパリンで活性化全凝固時間が300秒以上になったら血栓ができにくいため貯血槽に血液を送り300秒以下の場合はセルセーバーに送るなど使い分けていて活性化全凝固時間を頻繁に確認する理由と重要性が分かりました。片付けの時は貯血槽やチューブのほとんどがディスポーザブルな為ゴミ箱に捨てるだけでとても簡単な片付けでした。その後他のperfusionistがヒーターや人工心肺装置を拭いたりしていました。1つ目の手術は4時間近くかかったがあっという間に過ぎました。

お昼はドクターズラウンジで食べ13時から冠動脈のバイパス術が始まりました。バイパス用の動脈は大腿動脈を使用し大腿動脈を取得するまで時間がかかりました。小さい穴から内視鏡を入れながらの作業で思っていたよりも視界が狭くとても内視鏡コントロールするのが難しそうだなと思いました、また取得した動脈は予想より細くて驚きました。術中は1つ目の手術と同様、壁や人工心肺に付いているモニターを注意深く見ながら操作していました。大動脈弁はちゃんと機能している為心筋保護液は大動脈基部から投与していました。胸骨は電動ノコギリのようなもので切開し心臓に触れないように慎重に電動ノコギリを扱っていました。胸骨を1つに戻す時には多数の針金の用なものでつなぎ合わせていて驚きました。手術は1つ目と同様約4時間ほどかかったけどあっという間に過ぎました。術中は音楽がかかっていて適度な緊張感で手術が行われていて良いなと思いました。

1日人工心肺装置の見学をして感じたことは脱血量や心筋保護液を投与するタイミング、ベントを動かすタイミングなどを医者とコミュニケーションを取りながら決め、血液ガスについては麻酔科医と話し合いをしていたのでチーム医療で周りの人と協力しながら人工心肺装置を回す事が大切だと感じました。またヘパリンや血圧をあげる薬剤などはperfusionistが投与していて投与量や投与するタイミングなどを誤ってしまったら患者さんに危害を与えてしまう可能性がある為注意深くモニターを見ながら薬剤は扱うことが大切だと感じました。人工心肺装置の回路は1か所に固まっている為見にくかったけど回路内に異変があった場合素早くトラブルシュートしないといけないので回路がどこにつながっているかなどの理解が大切だと思いました。

夜はカテーテル室の皆さんとお寿司を食べに行き握り寿司やロールを食べ、上にアボガドと苺が乗ったロールが意外と美味しくて驚きました。