第2報に引き続き、透析用の水処理メーカである三菱レイヨン クリンスイ(株)より回答を得ましたので報告致します。情報は現時点で知りえる生の情報です。 従って測定感度等、十分な条件が伴わないこともあることを考慮下さい。
●東京の金町浄水場で放射性ヨウ素が検出され(3月23日)問題となり、25日に都内某施設2か所で透析用水処理装置in、outでセシウム137、セシウム134及び放射性ヨウ素の除去性能を実測した。
●結果
A施設 活性炭ろ過装置(90L)使用 → ROモジュール 8インチ
セシウム137
実測値(Bq/Kg) 検出限界(Bq/Kg)
水道水 5.6 2.2
活性炭ろ過後 検出せず 1.6
RO水 検出せず 2.4
セシウム134
実測値(Bq/Kg) 検出限界(Bq/Kg)
水道水 4.1 2.3
活性炭ろ過後 検出せず 2.0
RO水 検出せず 2.2
ヨウ素131
実測値(Bq/Kg) 検出限界(Bq/Kg)
水道水 73.0 20
活性炭ろ過後 58.0 20
RO水 検出せず 20
B施設 活性炭ろ過装置(40L)使用 → NF膜 → ROモジュール 8インチ
セシウム137
実測値(Bq/Kg) 検出限界(Bq/Kg)
水道水 3.3 2.6
活性炭ろ過後 7.0 2.4
RO水 検出せず 2.3
セシウム134
実測値(Bq/Kg) 検出限界(Bq/Kg)
水道水 4.1 2.3
活性炭ろ過後 7.0 2.0
RO水 検出せず 1.8
ヨウ素131
実測値(Bq/Kg) 検出限界(Bq/Kg)
水道水 100.0 20
活性炭ろ過後 87.0 20
RO水 検出せず 20
●測定機器、計量方法
γ線スペクトロメーター法
ORTEC社製 ゲルマニウム半導体検出器
測定時間1000秒
●結論
1.今回の検討は第2報に比し、in側の物質濃度が比較的高値であった。
2.放射性ヨウ素100(Bq/Kg) 程度であっても測定感度未満に管理できていた。
3.測定感度は計測時間に相関することから、更に感度の高い場合での情報も必要であると思われる。
●謝辞
本件に関し報道開始と同時に、多数の会員からの問い合わせありました。
これらに対し三菱レイヨン クリンスイ(株)からの貴重な情報に感謝致します。