【連載】続 かなちゃんパパの近況報告② ~コーチング研修インストラクター取得までの道のり~

 

「かなちゃんパパの近況報告   ~コーチング研修インストラクター取得までの道のり~」

 

第2回

 臨床工学技士になぜコーチングが必要なのか

 

 

さて皆さん、次の問題を考えてみてください。

①聞いたことは、○○○。

②見たことは、○○○。

③やったことは、○○○。

④○○○ことは、使う。

 

 

答えは、①は「忘れる」、②は「覚えている」、③は「分かる」「身に付く」、④は「発見した」です。

 

これは、「対話型ファシリテーター」と言う題で書かれた文章から引用したものです。コーチングやファシリテーターはとてもよく似ている部分があるので、この問題を取り上げてみました。

 

人は、自分で見つけたこと(発見したこと)の以外は、ほとんど忘れてしまいます。

忘れてしまえば使うことができません。したがって、「聞いたこと」や「見たこと」、「やったこと」は記憶には残っていたとしても、自分の力で応用して実際に使いこなしていくまでには達しないと言うことなのです。

ここで言う、「やったこと」とは、マニュアルの手順通りに行うことや人に教わった通りに行うことであり、自分の思考が伴っていないと言うことです。

 

更に問題となるのは結果として「やったこと」が完成すると、「私はできるんだ」と言う思い込みから、新しいことの発見がなされないことです(注意することや反省すること、復習をすること、自分なりのマニュアルを作ることなどが行われない)。

したがって、本当の「できる」と言う行動は、自らか関心を持ち、新しい発見したと言う思考回路が働いた時にのみ、理論化された行動が脳に埋め込まれ、次の応用を含めた行動につながっていくのです。

 

ですから、現代の若い人たち(若い人に限定してはいけませんが…)、マニュアルが無いと何も物事が進まないと言う状況になるのです。そして、マニュアルを揃えていくことで、更にマニュアル人間が育っていくことになります。

マニュアルで行った行動では感動が生まれにくい(発見が無い)ために、行動による満足度が低い(思い込みの満足度で終わってしまう)ことになります。そして、次の行動につながっていかないと言う悪循環に陥ります。

 

20-30歳代が70%で女性も多い臨床工学技士が業務を遂行していくためには、マニュアルと言う存在が欠かせないでしょう。業務は多種に渡り、あれもこれもと要望され、組織力は大きくなり認知度が上がるが、評価が必ずしもそれに比例せず、人数ばかりが膨張している病院も多いでしょう。

 

国(厚生労働省)の施策としての臨床工学技士の役割は、患者に密着したチーム医療の一員として期待している部分もあるものの、人材育成が追いつかない現状があること、国が書面として期待している業務としては「機器管理」と言う表現が強く、この結果として、院内での要望も、「機器管理」を主体とする業務の要望や、医療機器安全管理料の診療報酬の算定や、看護師不足を補う為の補助要員と言う業務が増加しているのではないでしょうか。

 

この様な流れ作業的な業務では、命に関わる業務を行っていると言うイメージが湧かないことや、医療に対する「情熱」を持ちにくいのに合わせ、若い人たちの「満足するレベルの低下」と言う現状から、休日や夜間の呼び出しに違和感を持つ臨床工学技士も多くいるのではないでしょうか。

 

更に、急減な増員による人材育成の体制が整えられないこと(若い人が若い人を教える)、業務が細分化して幅広い知識の構築がなされないこと(ジェネラリストの育成が進まない)などの多くの問題があり、臨床工学技士の将来展望に不安を感じるのは私だけでしょうか。

この様な現状を打破するためには、臨床工学技士が本来持っている医療に対する「情熱」を呼び起こし、患者さんに対して本当に何がやりたいのか、そのやりたいことをどう実現していくのかを、自らの言葉で引き出し、自らの言葉で宣言させていく手法が「コーチング」なのです。

 

臨床工学技士の持っている能力には「無限の可能性」があります。その「無限の可能性」を引き出し、患者さんに最良の医療を提供することで、臨床工学技士の組織内がWin-Winの関係になると共に、臨床工学技士と病院の関係がWin-Winとなるでしょう。そして、最終的には、患者さんとの関係がWin-Winとなるのです。

 

みんながHappyになる組織作りをして、患者さんをhappyにすることが病院の本来の姿です。

 

 

 

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