🏥感謝と感動の病院見学|AAMIツアー再始動の1日

2025年6月20日 (金)
今日は、今回のツアーの中でもとくに大切な日。数年ぶりとなる「病院見学」をついに実現できた、記念すべき1日でした。

元々、アメリカの病院は、患者さんのプライバシーを重視するので、家族であっても患者本人の許可がないと何も出来ない環境です。それがCOVID-19のパンデミック以降、アメリカでの病院見学は非常に難しくなっていました。まして団体での見学となると、以前のように簡単には実施できない現実があります。
今回の見学は、ツアーに参加してくださった皆さんのために、「何としても実現させたい」と願い、知り合いを通じて手紙やメールを重ね、病院、企業、ACCEの方々とやりとりを続けてきました。何十通ものメールの末、ようやくOKをいただけたときの嬉しさは、言葉になりませんでした。

とはいえ、準備はスムーズとは程遠く、ハラハラの連続でした。
「病院見学の状況はいかがですか?」という日本からのプレッシャーを受けつつ、日本とアメリカの“スピード感”の違いを実感。病院見学日時に近づかないと物事が決まらないアメリカと、早く決定してほしい日本の文化の狭間で、やりとりを進めていく難しさを痛感しました。

だからこそ、今日の見学が無事に実現できたことは、私にとっても大きな喜びであり、心からの感謝の気持ちでいっぱいです。


☕️ 早朝出発からVIPな歓迎まで

朝7時20分、ホテルを出発。少し早めに病院に到着すると、現地で連絡を取り合っていたロジャーがすでにスターバックスのコーヒー片手に、病院の前で待ってくれていました。
運転席から降りてロジャーにご挨拶。「車はこのロータリーに停めてください」と言われ、驚き。まるでVIPのような扱いに一同恐縮…。このロータリーは、お昼になるとキッチンカーが集まってくる、職員にとってのお楽しみスポットでもあるそうです。

まずは1階の会議室に通されました。私たちの見学希望が多岐にわたっていたため、荷物を置いて動けるようにこの部屋を拠点として提供いただき、見学先の担当者もここに来てレクチャーや質疑応答をしてくださる形に。
会議室にはコーヒーや紅茶、水まで用意されており、手厚い歓迎に胸が熱くなりました。私たちからは、ささやかながら手土産をお渡しし、いよいよ病院見学がスタートです。

病院見学の詳細は、病院見学報告:University Medical Center New Orleans(UMCNO)LCMC Healthを呼んで


🏥 ハリケーン・カトリーナの教訓から生まれた病院

この病院は、ハリケーン・カトリーナによる甚大な被害を教訓に、「災害に強い病院」としてゼロから設計・建設された施設です。加えて、地元ニューオーリンズにある2つの医科大学、看護、リハビリなどの教育機関と連携しており、学生たちの教育・実習・研究も行う拠点としての役割も担っています。

午前中はさまざまな部署を回り、施設の機能や防災設備、教育体制などについて詳細な説明を受けました。専門的な内容も多く、日本の臨床工学技士の皆さんにとっても刺激的な時間だったと思います。

そして会議室に戻ってきたら…なんと、ハニーベイクドハムのランチが用意されていました!さらに、病院のTシャツまでいただき、もう感謝しかありません。おもてなしの心に心から感動です。


🧼 午後は手術室見学も体験

午後からの見学では、清潔区域に入るために「バニースーツ」と呼ばれる全身を覆う術衣に着替えて、手術室などの見学へ。普段はなかなか見ることができない現場に足を踏み入れ、各部門のDrやマネージャNsから直接説明を受けながら、リアルな医療の現場を体感しました。

最先端の設備と、しっかりと運用されている体制、それを支える現場の人たちのプロフェッショナリズム…。
この病院が、膨大な予算と想いを込めて実現された“理想の医療施設”であることを、全身で感じました。

各施設で案内してくださった医師、看護師長、マネージャーの皆さん、そして終始コーディネートしてくれたロジャーには、感謝してもしきれません。

まとめ

  • ハリケーン・カトリーナの教訓から、UMCは「洪水・停電に強い」設計・運用体制を構築。
  • 発電機・水・燃料等の冗長化、定期的な負荷試験、自治体との連携による患者・スタッフ管理が徹底。
  • 診療部門は救急・バーン・がん・透析等、各専門領域で高度な医療・教育・研究・患者支援を実践。
  • 透析・バイオメッド等の技術部門も外部委託や標準化で効率的に運営。
  • 低所得者・ホームレス等への社会的支援、地域文化・アートとの連携も重視。
  • 多職種教育・国際交流・研究活動も活発で、日本の医療機関にも多くの示唆を与える内容であった。

🎷 AAMIオープニングと展示会、そして思わぬ雨の夕方

ホテルに戻ると、いよいよAAMIのExpoホールでのリボンカットセレモニーがスタート。
ジャズの街・ニューオーリンズらしく、なんと生演奏つきのオープニング!テンションが一気に上がります。

展示ブースでは、たくさんの企業が協賛し、各種医療機器や最新技術の紹介が行われていました。ビールやワイン、アルコール類を頂き、ブースを回りながら多くの学びと交流の時間を過ごしました。記念のペンやTシャツをもらったり、企業の方に直接質問をしたりと、非常に充実したひとときに。

昨日メールで問い合わせていたスチームボートは、残念ながら人数制限と安全上の理由から今回は参加できず…。でもその分、AAMIのCEOであるパメラさんと写真を撮ることができ、別の意味で思い出に残る時間となりました。

そして会場を出る頃には、外はまさかの雨。
ホテルまでの帰り道にある「リバーオーク」というアウトレットを通ってホテルに帰る予定でしたが、アウトレットはPM7:00で閉店。雨も降っていて帰るに帰れず、どうしようかと迷っていたところ、近くに雰囲気の良さそうなレストランを平山先生が見つけ、そこで夕食を取ることにしました。

ここもさすがニューオーリンズ。生演奏を聴きながら、地元の食材をふんだんに使った料理をゆっくりと味わいました。店内の雰囲気も良く、リラックスした気持ちで一日を振り返ることができました。
食後に外へ出てみると、雨はすっかり止んでいてホッと一息。時刻も少し遅くなっていたので、私は皆の様子を気にかけつつ、無事にホテルまで楽しく歩いて帰ることができました。


🌙 感謝の気持ちで締めくくる1日

本当に濃密な1日でした。見学先の病院も、AAMIの展示会も、そして予定外の雨とレストランも、すべてが旅の思い出です。
今回のツアーが、参加してくださった皆さんにとって、何かひとつでも新しい視点や学びにつながっていたら嬉しいです。

明日もまだまだイベントが続きます。しっかり休んで、また次の一日に備えたいと思います。


📝追記

写真は、見学中にスタッフの方々と撮った記念の一枚。笑顔から、今日の充実ぶりが伝わると嬉しいです📸