国立循環器病研究センター 西垣 孝行

2016年6月2日~9日にかけて、研究を進める上での情報収集と日本臨床工学技士会主催の海外施設(Tampa General Hospital)見学を目的にAAMI2016 Conference & Expo(Association for the Advancement of Medical Instrumentation, AAMI)へ参加しました。

AAMI2016では、自身の研究テーマに関する情報取集だけでなく、日本臨床工学技士会の国際交流委員会の取り組みや参加者の皆さんの英語力および英会話に取り組む姿勢を拝見し、非常に良い刺激を受けました。また施設見学においては、日本臨床工学技士会のバックアップが無いと決して許されないであろう箇所まで案内していただき、日本とアメリカの医療文化の違いを存分に体験することができました。特に本学会には、15年前に元上司だった長澤さん(国際交流委員会の米国駐在員に任命されることになったグリーンカード取得者、通称バネラ先輩)がコロラドから現地へ駆け付けて頂き、日本から一緒に参加した皆様と共に、まるで合宿のように楽しい時間を過ごさせていただきました。

その他、学会以外にも特殊な経験をたくさんさせていただきました。まずタンパへの中継地点であるテキサス・ヒューストンでは、洪水による搭乗便キャンセルというトラブルに見舞われ、空港に16時間も足止めされました。日本でも台風などで強制キャンセルを経験しましたが、日本ではありえない係員の対応の悪さやキャンセル待ちに並ぶ乗客を右往左往させる配慮の無いシステムに驚きながら、アメリカでは英語で自分主張できないと恐ろしい事態になると、容易に想像できました。そんな状況でもサクサク交渉を進める長澤さんや井桁国際交流委員の英語力に驚きながら、ふつふつと英語習得へのモチベーションが上がりました。このように初日から日本とアメリカの文化の違いを存分に味わうことになりました。

学会終了後は、オンオフの切り替えを大切にするアメリカの文化が身に付いている長澤さんの元、レストラン、クリアビーチ、NASAなど、まるで敏腕添乗員の如く、アメリカでの「おもてなし」を受けることになりました。これらは写真で情報提供させていただきます。

今回、AAMIの役員やアメリカのCE、日本医療機器学会の先生方との晩餐会やTea Partyなどを通して、単に学会へ参加するだけでは得ることが難しいような素敵なご縁もたくさんいただきました。これらの中でも私が特に有益に感じたことは、一緒に参加した臨床工学技士の皆さんと毎晩のようにお酒を飲みながら、異国の地で未来の臨床工学技士像を真剣に語るという、非日常的な空間だからこそ築ける仲間意識や信頼関係を構築できたことだと考えています。

若手の皆様には、是非、このような経験を積んでいただきたいと思いますし、この報告書が一歩を踏み出すきっかけとなれば幸甚です。

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