順天堂大学医学部附属順天堂医院 仲條 麻美
2015年6月4日~6月11日の8日間、AAMI 2015 Conference & Expo(Association for the Advancement of Medical Instrumentation, AAMI) への学会参加と、海外施設見学ができる公益社団法人日本臨床工学技士会主催のツアーに参加しました。
今回のAAMI学会開催地はアメリカコロラド州デンバー。初めて訪れた場所でしたが、ダウンタウンはとても綺麗で近代的な街でした。学会の会場となったColorado Convention Centerもこの中心部にあります。AAMI学会は世界50ヶ国以上が参加する大規模な学会で、各国のCEと出会うことができ見聞を広めることができます。機器展示も150社以上の企業が出展し、とても大きな会場で多種多様な先進医療機器に触れ学ぶことができました。セッション会場では参加者が質疑応答も含め、とても意欲的にスピード感をもって解決していこうと積極的な議論が行われていました。今回、国際交流委員会の方々が発表された、AAMIと日本医療機器学会(Japanese Society of Medical Instrumentation, JSMI)合同のセッションでは、日米CEにおける違いを議題に討論が行われ、日本で発展してきたJapanese CEの資格制度や業務内容などに聴衆の注目が集まっていました。私自身も今後は、米国に学ぶだけではなく、日本の優れた点も国際的な学会等で発信し、諸外国との交流を深めていければと感じられる場面であり、発表への意欲も刺激されました。
海外施設見学では、Children’s Hospital Coloradoを訪問してきました。こちらの病院は小児医療専門病院で病床数は440床。現地のAmerican Clinical Engineerのトム氏に病院を案内していただき、米国呼吸療法士(Respiratory Therapist, RT)や部門ごとに他職種の方とお話ができました。スタッフの方々が子供たちのために熱意をもって診療にあたられている姿がとても印象に残っています。NICU、CCU/ICU、透析室、放射線関連、リハビリ室、病棟をまわりましたが、どこを見ても、明るく広々としていて子供たちを楽しませる工夫が随所に見られました。入院中の兄弟を見舞う子供や家族にも優しい空間でした。また、綺麗なだけでなく、機能面から見ても充実した設備を見学させていただき大変勉強になりました。
ツアーでは他にも、AAMI学会中に催されるアワードの授賞式&晩餐会に参列したり、Tea Partyでプレゼント交換や談笑を楽しんだり、日本では経験できない国際交流の時間が多くありました。ですが、何よりも国際交流に興味を持つ日本各地から集まった臨床工学技士の方々と、時間を共有してたくさん語り合えたのが、このツアーの醍醐味だと私は思います。素敵な出会いと多くの経験をもたらせてくれるこのツアーに皆さん是非チャンスを生かして、参加してみてください。