順天堂大学医学部附属 順天堂医院 仲條 麻美

2016年6月2日~6月9日の8日間、AAMI 2016 Conference & Expo(Association for the Advancement of Medical Instrumentation, AAMI) の学会参加と、海外施設見学のできる公益社団法人日本臨床工学技士会主催のツアーに参加しました。

今回の学会開催地、アメリカフロリダ州タンパ(Tampa)はフロリダ半島中部西海岸に位置し、メキシコ湾に囲まれたのんびり落ち着いた空気感が漂う都市です。海岸沿いをドライブすれば、世界有数の美しさを誇るビーチが数十㎞つづき、珊瑚礁や貝殻が砕けてできた真っ白な砂浜と遠浅のクリアブルーが美しい海の景色が眺望できます。
ツアー初日は、Tampa General Hospitalを視察しました。病床数1013床、従業員数6700名、5機のヘリコプターを有する大規模な総合病院です。IT化を積極的に行い、患者が行く必要のある検査室などの道案内をスマートフォンで行ったり、変調時は院外でもFacetimeを利用した医師の診察を受けることができるなど、先進的な技術を取り入れる一方で、患者や家族にとって快適で心落ち着かせる配慮が随所になされている、バランスのとれた思いやりのある病院を見学させていただき大変勉強になりました。
6月4日からはAAMI学会が始まり、5日(日)はJSMI主催の教育セミナーを拝聴しました。会場には、”Environments for Medical Device Development in Japan and the United States: Current Activities and the Roles of Clinical Engineers/Biomedical Engineers”のテーマに興味を惹かれた聴衆が多く集まりました。発表後は日米間の医療機器開発の内容に触発され、講演を終えたエキスパート達からより多くの情報を得ようと、限られた時間の中で各国の人々が無数に質問を抱える状況でした。そのような会場の熱気で、より早口になる英語の問いかけに明快に答弁される座長の吉岡委員長、演者の井桁委員の姿はとても凛々しく聡明で、同じ日本人として誇らしく、自身の国際学会での発表意欲も高まりました。
AAMIとのTea partyでは、(いつもチャーミングな笑顔で私たちを迎えてくれた)Mary Logan会長の退任式が行われ、その後は歌や談笑などの交流をしました。プレゼント交換では、昨年と同じくJACE公認キャラクター「シープリン」グッツを贈りました。プレゼントを手にしたCEの女性からは「シープリンは息子が大好きなキャラクターなの」と嬉しいお言葉も頂きました。愛くるしさ溢れるシープリンはJapaneseCEと共に日本を飛び出し、人々の心を射止め人気者へと成長していました。
自由な時間には、アメリカ人の間で噂のビーチへ出かけ偶然、浅瀬まできたイルカに癒されたり、NASAで1.26億マイルも宇宙を旅したアトランティスに感動しNASAグッツをスーツケースいっぱいに買いこんだりと海外アクティビティーも存分に愉しみました。
AAMI2016ツアーTampaでの濃厚で充実した数日間、オン・オフともに非日常な体験をし、日本との勝手の違いに翻弄されたことも良い刺激となり、行動力が引き出されました。その中で一番強く感じたことはアウトプットする大切さです。例えば、英語で会話(output)しても伝わらなかったことで、弱い部分が見つかり、もう一度勉強する(input)と記憶の量や質が変化することを実感します。学会でも、日本の現況を国外へ発信(output)することで議論を交わし始め、互いの知見を共有することで新たな工夫やシステムが紡ぎ出せるのではないかと感じました。皆さんも今まで日本でためた知識を発散(output)していきましょう!一人が心細い方には、この旅が特にオススメです。志を共にする仲間も一緒なので楽しさは倍増、ちょっとした試練やトラブルはアトラクション気分で乗り切れます。思い出に残る素敵な時間を共有でき本当に楽しかったです。
最後に、このような貴重な機会を頂けるのも国際交流委員の皆様が日々積み重ねてきた、ご尽力の賜物で日米の友好な関係があってこそといたく感動し、深謝いたします。