仕事と子育てと介護の挟間
Yボード富山県担当
山下 敬雄
私は現在、妻(病院勤務)と息子2人と、私の両親の計6名で生活している。
私の母は進行性の神経疾患に罹患しており、昔から車イス生活であり、いずれ寝たきりになるだろうと言われていた。そんな母を父は昔から仕事をしながらも、懸命に介護をしていた。父は定年を迎えた後も、それが趣味だと言わんばかりに母の介護を精力的に行っていた。しかし年数が経つに連れ、母の病気も進行しほぼ寝たきりとなった。私ら夫婦も共働きをしており、子供らが小さい(当時2歳児と0歳児)ので、仕事と子育てで目一杯で、母の介護を十分に手伝えなかった。父は限界だと言い、不本意だが母に長期療養型病院に入院してもらう選択肢を選んだ。母には申し訳ないが、これで少しは父も楽になり、孫の相手をしてくれるのではと思っていた。しかし、心の支えだった“妻の介護”が無くなった父は一気に認知症になっていった。私や妻が仕事中にも関わらず毎日何回も電話が掛かってくる、やっと見つけたデイサービスも暴言を吐いて行かなくなる、自宅に居ても徘徊の可能性もあるなど様々な心配があり、仕事中に時間年休を使い自宅まで様子を見に行った事も何回もあった。このままでは仕事も子育ても親の介護も中途半端になってしまうと思い、涙を飲んで父を精神科病院に強制入院させてもらった。
現在、父は、月に1回程度の外出をし、母の見舞いや、自宅に帰って孫の成長を楽しんだりしている。私らも穏やかに接することができ、仕事にも集中して打ち込めている。
子育て(これが1番大変)も夫婦協力して行っているので、最善の策だったであろうと日々自分に言い聞かせている。