日本臨床工学技士会 パネルディスカッション 「仕事に活きる」をマネジメントする~仕事に活かすライフデザイン・キャリアデザインからWLBを考えよう~開催報告
平成30年5月26日、27日に第28回日本臨床工学会が神奈川にて盛大に開催されました。臨床工学とマネジメントというテーマで開催された学会のなかで、私たちワークライフバランス委員会は、どのようなテーマでワークライフバランスの重要性を会員に伝えられるか?議論を進めてきました。そこで企画されたのが “「仕事に活きる」をマネジメントする~仕事に活かすライフデザイン・キャリアデザインからWLBを考えよう~”というパネルディスカッションでした。
パネルディスカッションは、まず始めに吉村委員からワークライフバランスとは何か?ワークライフバランスの本質的な意味を説明するところから始まりました。その後、これまでのワークライフ委員会の活動と現在行っている活動、ホームページの紹介、そして今後の活動の展望をお話しして頂きました。
次に、私(山田委員)から、ワークライフバランスはワークもライフも重要であるため、今回はライフのためにワークをしっかり考える“キャリアデザイン”のお話をさせていただきました。まず始めに「人生の大きな流れの中で節目くらいはしっかりキャリアを考えなければならない」という神戸大学 金井壽宏氏のキャリア論の考えから、節目とドリフトというキーワードを示しました。そして節目を見逃さないために「キャリアアンカー」という自分の価値観をしっかり考えておくことが重要であるということ、さらに自分らしさ(自分の価値観)を追及しすぎると結果的に自分らしく生きることができないため、キャリアサバイバルという視点でも考えることが重要であると示し、私のセッションは終了しました。
さて、いよいよ今回のワークライフバランス委員会が企画したメインイベントです。ここからは、2名の先輩技士の経験や実践を語っていただくセッションになります。
まず始めに、群馬県立心臓血管センター技術部臨床工学課 安野誠先生です。先生からは「仕事も趣味も安全第一 愉しむための安全管理」というテーマで、趣味である登山から学んだ様々な安全技術は医療の分野でも通じるものがあり、広い視野を持って趣味からでも学ぶべきことがあるということ、つまり仕事以外のコミュニティーを持つことは非常に重要であるということを示して頂けました。山に行きたくなるような素敵なセッションでした。
次のセッションは社会医療法人天神会の岩本ひとみ先生です。先生からは、“女性として管理職としての「ワーク・ライフバランス」と「働き方改革」を考える”というテーマで、管理職として自身の職場で実践してきたマネジメントや母として家庭を守りながら臨床を行い、さらに書籍や論文の執筆も行ってきたこと、ついには学会の大会長まで務められた、こんな話を聞いているだけでパワースポットにいるような気分になりました。後半は現在の実務である天神会本部においての「働き方改革」の取り組みをお話しいただき、管理職に求められるワークライフバランスの考え方や働き方の考え方をお話しいただきました。自施設を振り返り、反省する点がもやもやと現れた瞬間でした。
今回企画したワークライフバランス委員会主催のパネルディスカッションは、委員全員が何かしらの手ごたえを感じたのではないかと思います。今後の委員会の進むべき方向性がぼんやり見えてきたのではないでしょうか。
今回ご尽力いただいた安野先生、岩本先生に感謝いたします。
担当:山田委員