厳選なる審査の結果、第31回日本臨床工学会 熊本大会 アワード受賞製品を発表いたします。

今回応募いただいた製品を含め臨床工学技士が開発した医療機器等は日本臨床工学技士会 臨学産連携委員会の 医工連携アワードHPに掲載しております。是非ご覧ください。

最優秀賞

すでに上市している製品で最も優秀な製品に送られる賞です。

授賞製品名:熱中症対策ウォッチ 「Biodata Band」

所属:森ノ宮医療大学 保健医療学部/臨床工学科

NPOまもるをまもる 代表理事 西垣孝行

第4回医工連携Award最優秀賞を受賞するにあたり、多くの方々のご指導、ご助言、ご支援を賜りました。この誌面をお借りして関わっていただいている方々に深く感謝申し上げます。8年前、3歳の息子が、40度の高熱で苦しむ中、私の腕の中で熱性痙攣を発症し、泡を吹いて意識を失いました。救急車に乗ってる間「息子の命を失ってしまうかも知れない」このような恐怖が原体験となり、開発意欲に繋がったことを鮮明に覚えています。当時、家庭で体温を自動連続測定するデバイスはありませんでした。医工連携プロジェクトを発足してからは、さまざまな業界の皆さんに教えていただきながら、失敗を繰り返し、経験を積み、とにかく前進してきました。そのため今回の受賞は非常に感慨深いものがあります。まだ熱中対策ウォッチというヘルスケア機器の商品化に成功した段階ですので、今後もBiodata Bank株式会社と連携し、全く新しい体温計の概念を生み出していきたいと考えています。

優秀賞

すでに上市している製品で特に優秀な製品に送られる賞です。

受賞製品名:非接触ゼリー自動供給装置「ゼリーアシストK」

所属:国家公務員共済組合連合会 吉島病院 河原聖志

このたびは、臨学産連携委員会 第4回医工連携Awardに関しての優秀賞をいただきまして、誠にありがとうございます。大変光栄に存じます。私は、2013年度のひろしま医療関連産業創出事業でニーズ提案して以来、今日までの間、内視鏡検査における感染対策と業務軽減を目的に、潤滑剤を非接触かつ自動で供給する装置の開発と普及に励んでまいりました。このような受賞の機会を頂きましたことは、皆様方の深いご厚情の賜物であると存じます。また、ニーズ提案当初からサポートいただいた広島県臨床工学技士会、広島県庁をはじめとする各行政機関の方々、そして装置を共同開発した株式会社西井製作所、皆様方には感謝の気持ちでいっぱいです。このたびの受賞を受けましたことを胸に、これからも臨床工学技士会の一員として社会の発展に尽くしてまいりたいと存じます。今後とも、皆様方の尚一層のご指導とご鞭撻をお願い申し上げ、御礼のご挨拶とさせていただきます。

ベストデベロップメント賞

まだ上市していない製品だが特に優秀な開発に送られる賞です。

受賞製品名:三方活栓動作装置「EVARECTA」

所属:三菱京都病院 篠原智誉

この度は大変名誉ある賞に選出いただき誠にありがとうございます。北浜製作所様、NES株式会社様のご協力にて素晴らしい製品を共同開発することができました。また試作品の検証のためご協力いただきました複数御施設の臨床工学技士様へ改めて感謝申し上げます。EVARECTA(エバレクタ)というネーミングは、人工肺から排出される炭酸ガスを麻酔モニタで認識しやすくするため矩形波に変換する「Exhaustgas VAriable RECTAngle Converer」、評価したい現象を記録するモニタを仲介する「Evaluation and Recording Connectors 」の二つの意味を表現しています。いわばニッチなアイディアですが、実装した機能は三方活栓を自動操作するだけの大変シンプルな製品です。それゆえに、従来品の消耗コスト削減、人的労力の軽減などあらゆる可能性を秘めております。今後、皆様にご注目いただけるような活用法を提案していきたいと存じますので是非楽しみにしていただけましたら幸甚です。引き続き、よろしくお願いいたします。