2017年2月15日~17日に大阪のインテックス大阪にて「メディカルジャパン大阪2017」が盛大に開催されました。メディカルジャパンは医療に関わるあらゆる製品・技術・サービスが出展する医療の総合展であり、医工連携を計画する企業も多く参加します。
今回、医療機器のスペシャリストであり医療現場のニーズを把握する臨床工学技士として、医療産業への参入を模索する企業に向け、臨床工学技士の認知度向上と医工連携における臨床工学技士の活用促進を目的に、「臨床工学フォーラム」の開催と「臨床工学技士会ブース」の出展を行いました。
臨床工学フォーラムでは、多くの企業、病院関係者に参加頂き、臨床工学技士の新たな方向性や医工連携における活用について検討していただく機会となったと感じています。臨床工学技士会ブースでは、模擬手術室を設置して臨床工学技士が医療現場でどのような役割を持ち、どのような仕事をしているかを知っていただけたと思います。また、医工連携ブースでは、臨床工学技士と企業との医工連携事例を紹介させていただき、より具体的に企業の方々に臨床工学技士をアピールすることができたと思います。
臨床工学技士は、医療現場だけでなく病院経営や医工連携など、広い分野で活躍できるポテンシャルを持った職種です。こうした事を通じて、臨床工学技士の皆さんが様々な場面で活躍されることを期待しています。
開催内容は以下のとおりです。
開催概要
- 日時:平成28年2月15日(水)~2月17日(金)
- 場所:インテックス大阪
- 出展会社 1105社
- 総来場者 29, 311名(前回比:2,542名)
- セミナー参加者 12,307名
参加スタッフ
■日本臨床工学技士会WG ■支援スタッフ
野村 知由樹 小北克也(近畿臨床工学技士連絡協議会)
井桁 洋貴 廣瀬元(近畿臨床工学技士連絡協議会)
野沢 義則 岩下裕一(近畿臨床工学技士連絡協議会)
三井 友成 西手芳明(近畿臨床工学技士連絡協議会)
加藤 博史 篠原智誉(近畿臨床工学技士連絡協議会)
吉見隆司(近畿臨床工学技士連絡協議会)
吉田哲也(近畿臨床工学技士連絡協議会)
藤井清孝(近畿臨床工学技士連絡協議会)
臨床工学フォーラム
基調講演・専門セミナー共に臨床工学技士以外の方の来場も多く見受けられ、内容も興味深く拝聴することができました。各講座につきましては ME-K 129名 ME-1 177名 ME-2 56名 ME-3 86名 の受講でした。
(基調講演)2月15日(水)15:30~17:00
- 「臨床工学の可能性と未来展望」
臨床工学技士の現在と将来に向けて
(公社)日本臨床工学技士会 会長 川崎忠行
- 医工連・産学官連携による医療機器のイノベーション
国立循環器病研究センター 研究開発基盤センター長 妙中 義之
(専門セミナー1)2月16日(木)10:15~12:15
「臨床工学技士の発案による医療機器開発の成功事例」
- デザイン思考による医療ニーズ分析手法と医工連携をスムーズに進めるコツ
国立循環器病研究センター 臨床工学部 臨床工学技士 西垣 孝行
- Y’s Carryが開発された背景
医療法人社団寿量会熊本機能病院医療機器安全管理室 室長
(一社)熊本県臨床工学技士会 会長 山田佳央
- ゼロから始める医工連携
臨床工学技術部 中央医療機器管理部門 チーフ 吉田 哲也
- 人工透析液汚染管理のための細菌リアルタイムモニタリング装置の開発
純真学園大学 保健医療学部 医療工学科 講師 楢村 友隆
- 現場のニーズ収集から製品化までの事例紹介
山形大学医学部附属病院 臨床工学部 臨床工学技士 吉岡 淳
(専門セミナー2)2月17日(金)10:30~10:00
「医臨床工学技士が寄与する経営貢献と安全確保」
- 病院経営の一翼を担う臨床工学技士~現場からの発送で経営を考える
社会医療法人 生長会 阪南市民病院事務長 村中 秀樹
- 医療安全と病院経営に貢献する臨床工学技士の在り方社会
医療法人 雪の聖母会 聖マリア病院 患者支援部 部長 井福 武志
(専門セミナー3)2月17日(金)13:00~14:00
- VR 仮想現実 AR 拡張現実 3Dプリンタによる革新的臨床工学
国際医療福祉大学 大学院 医療福祉学研究科 杉本 真樹
日本臨床工学技士会ブース
模擬手術室、VR展示
医工連携を推進している行政・団体・企業より、臨床工学技士とのパートナーシップを深めていきたいといった声を沢山聞くことができました。
医療機器開発ブース
まとめ
臨床工学技士は医療機器開発においても力を発揮できる職種であることをアピールすることができました。模擬手術室はかなりの注目度だったようで、TV局の取材もあり来場者も足を止めている姿を見ることができました。多少なりとも臨床工学技士という医療職のPRができたのではないかと思います。
医工連携ブースとセミナーは、医工連携に関わっている技士が多数いることとその開発に興味を持たれている企業がたくさんいることが伺えました。各方面からも臨床工学技士への期待が大きいことも感じましたし、今後臨床工学技士も医工連携に向けて益々関わっていくべきだと考えます。
技士会としても、メディカルジャパンにとどまらない医工連携推進を担うパートを設け、いろいろな事業を推進していく必要性を感じました。今後、医薬品=薬剤師というように、医療機器=臨床工学技士という風に言われるように啓発していきたいと考えています。